冬瓜を食べる

2024.8.17

 懐石料理やなんかの中盤でたまに見る、蓋付きの椀に盛られて出てくるとろみのある出汁と、ささやかなそぼろに覆われたアレの事です。「これ、もっと食べたいな」と思っても流石に「さっきのを丼一杯に下さい」なんて言えないので、「ああいった場でしか出てこない料理」だとばかり思っていました。

 家の横のスーパーに冬瓜が並んでいるのを発見し、そもそも私はウリ科の野菜が好きなものだからその見た目の美しさでそのまま購入。
 その晩に食卓に並んだのが、丼一杯に欲しかった例の煮物がまさに丼にいっぱい。

 長年の夢が叶った瞬間でした。なんでこんなに美味しいんだろう。
しかも、聞けば一個の冬瓜で何食分も賄えるというではありませんか。構いませんよ、私は全然食べ足りたとは言えない。次の夢は「もう冬瓜は見たくない」と思うほど冬瓜を食べる事と相成りました。

 とうがんに飽きることはとうがん (当分) なさそうです。
注釈をつけなきゃいけない洒落は洒落として失格ですし、文語でやることでもありませんが、それくらい冬瓜に狂っていると言う事で。