2026.1.22
歌が歌っている部分以外こそ腕の見せ所です。言い過ぎです、歌の所がちゃんとしているからこそ他の部分が生きるのです。
例えば前奏や間奏、後奏。そしてアンダースコア。
絶賛公演中の「ISSA in Paris」で、そういう部分の作業がとても楽しかったという話なのですが……
昔から映画のサウンドトラックが大好きです。
トップ3を言えと言われたら「ロード・オブ・ザ・リング (王の帰還)」「E.T.」「ザ・キッド」(←どういうわけかサントラが入手できない、)
トップ5と言われたら「海の上のピアニスト」に「戦火の馬」を追加し、
トップ10だと「ロード・オブ・ザ・リング (一作目)」「ナルニア国物語 (ライオンと魔女)」「バック・トゥー・ザ・フューチャー (特に3)」「砂の器」「耳をすませば」を挙げるでしょう。(きっともっと大事な作品を忘れていると思う)
一昔前にはクリスマス時期に必ず「ホーム・アローン」と並んで放送されていた「ジングル・オール・ザ・ウェイ」のアイデアも大好きですし、その手法 (特にエレキギターの用法) は勿論使わせて頂いております。
余談極まりますが「ホーム・アローン (1と2)」の作曲者がジョン・ウイリアムズである事をどれくらいの方がご存知でしょうか。「ホーム・アローン1」のエンドクレジットや「E.T.」の本編最後15分からエンドクレジットなんて今や涙なしに聴けません。
そんな事もあり、BGMが引き出す感動に対する意識は強いのです。別に諦めたわけではありませんが、映画音楽や劇伴を書いてみたい人生でした。
歌が止まっている時間というのは物語が止まっている時間ではなく、むしろ舞台面が「言葉に出来ない事」を抱えている時間であり、お客様がそこを想像する時間でもあると思うのです。
そこで音楽が感情の交通整理を行う……というのが「歌が無い時間」のオーケストラの仕事だと考えています。
ISSAに関しては、アンダースコアは元より存在しませんので、一任されていると信じて書き進めました。
個人的には「アイデアの一幕、アンダースコアの二幕」だと考えています。笑
弾き振りという事もありますので、その日その日のお芝居に合わせてある程度 (しかしかなり) の操作が可能である為、割と舞台面の空気にコミット出来る形になっております。
一茶とテレーズの会話のシーンで、一茶が俳句について短い説明をする部分で流れるコーラングレのメロディは本編内で唯一私の自我が出てしまった部分です。「5・7・5」という音数そのままに思いついてしまったからしょうがないとそのまま採用しました。
他にも一幕で「赤とんぼ」が出る際には山田耕筰先生を少し出してみたり、結構「理由のある引用」をしている部分は多いのでそういう部分に着目されても面白いかもしれません。
生来「本編終了後の事で手を抜くのは二流三流」という思想でやっておりますので、Bowsやカーテンコールもちゃんと書かせて頂きました。
Bows冒頭では前々回「和」の時に書いた「カットになった楽曲のメロディ」をフルコーラスで演奏していますので「何の曲だ?」となった方もいらっしゃるかもしれません。ただ、この曲のモチーフもペーテルさん周りでかなり使っているので、通して聴いた時にはある一定の認知をして頂けているかもと考える所もございます。
現段階で名言するのもアレなので控えめに書きますが、EXITの名目で書いた曲も「追い出し」という意味合いではなく「見せEXIT」のような形になっております。こちら、本来カーテンコールが止まない場合を想定していくつか書いたので、そうなるとEXIT3はお蔵入りに相成りましたが、果たして「隠し」が日の目を見る時が来るのでしょうか……。