2021.5.30
折角自分のページがありますし、よく考えてみたら(みなくても)公表しない理由がありませんのでこっそり登板スケジュールを書いておきます。公式に発表されない理由が何かしらあるのかもしれませんが、過去にごく一部の奇特な方からスケジュールを訊かれたにも関わらず「教えて良いのか分からないのでノーコメントで」とか答えてしまっていたことが心残りで。。
6/1〜3
6/13〜18
6/27〜7/1
7/5〜11
7/18〜7/26
8/4〜15
9/6〜9
上記期間の全ての公演に乗る予定です。レミゼは今期で最後。丁寧に振らせて頂く所存です。
これに乗じてもう一つ。
明日、5/31の19:30から、若しくはその後アーカイブに残るはずなので結局いつでも観られるのですが、下払桐子さん×武蔵ホールのライブ配信シリーズ第六弾がございます。無料です。
今回はフルート、ファゴット、ヴァイオリンのトリオということで私の出番は無いのですが、私の作品が一曲演奏されます。例によってこの編成の為の書き下ろしで初演です。大変素敵な御三方による割と普通とは言えない瞬間を孕む楽曲となっておりますが、果たしてどのようになるのでしょうか。
私も家からタダで観ると思います。無料ですので。リアルタイムで観るかどうかは置いておいて。。笑
この演奏会の何が良いって、電波状態が良ければいつでも何処でも観られるって所ですよね。YouTubeなので面倒な手続きも要らないしタダだし。曲毎の頭出しも簡単。聴きたい回の聴きたい曲がいつでも聴けるシステムになっております。不肖私も「中東の笛」を何度聴きに行ったか分かりません。不思議なもので、ダウンロードしてしまえば(もちろん普段から正当な手段でやってますよ)電波すら必要としないのに、割と手が届くところにあると「聴きに行けばいいや」となるもんですね。
「投げ銭ってシステムがちょっとね、、、」なーんて言って「だから観られない、もしくは観ない」みたいに仰る御仁もたまにいらっしゃいますが、努努忘れる事の無きよう。完全無料です。笑
「投げ銭」は、気が向いたら、くらいの事で、主眼は演奏を聴いて頂き、映像を見て頂く事にあります。
こちらから「観たのに投げ銭してねえじゃねえか」とか分かるようなシステムもございませんし、中の人たちにも投げ銭目当てでやっているような方はおらず(これは一人くらい居てもいいのでは、と思わなくもない。。笑)、実は投げ銭のサイト自体もそんなガツガツしたものではありません。実に皆さんそれぞれがそれぞれの興味や趣味を原動力に、全力で楽しんでいます。
もちろん武蔵ホールのような良質なホールが無くなってしまっては困るので、個人的には全力で応援しております。配信自体も回を重ねるごとにクオリティが上がっていて、今後どうなっていくのかが楽しみで仕方がありません。
私見ですが、割と「配信」が当たり前になってきて、「客数入れられないなら配信すれば良いんじゃね」というような至極真っ当な意見があります。その通りだけど、そんな簡単な話でもなく、かと言って「直にその場でパフォーマンスに接する方が良い、演奏は現場で聴かれるべき」とも最早言い切れなくなって来ました。
前述の「中東の笛」は、乱暴に言えばオーボエソロと伴奏、と言った形態の曲で、単純にオーボエの負担が半端ない曲です。演奏会直前まで配信のプログラムに入れるか悩んでいて、結局当初の予定では「演奏会後に映像資料として撮っておき、何らかの形で配信する」という結論に落ち着いていたのです。
本編が終了し、下払さんと進藤さんが演奏会や投げ銭関連のお話をして終了という流れで、トークに関係ない篠原夫妻と私はホールの床に寝転んだりして演奏後の心地良い余韻に浸っていたのですが、お二人のトークが終わりに差し掛かる頃に、当の篠原氏が「中東、ここでやっちゃいません?」と私に。
こちらとしては「篠原くんがいいならそりゃあ」だったので、結局生配信で演奏してしまったのですが、後から聞くと「やるなら今だと思った」と言うわけです。誰かに聞かれてる状態の方が集中すると言う意見には大いに賛成です。ただ、その決断が実際お客様の前での演奏会の舞台袖で成されるかと言うのは微妙でしょう?
実は私、配信の方が緊張します。と言うと語弊がありますね、、何と言えば良いか、、配信の際の緊張は、得体が知れないと申しましょうか、本当に誰が聴いているか分からない。生の演奏会だと、少なからず自分を知ってくれている人が来てくれているので少しでも良い状態のものをというような気持ちが出るのに対し、配信はマジで誰がどういう状態で聴いているかが全く分からない。
譜面を見ながら聴いているかもしれない、俺の事が大嫌いな人がアラ探しをしようと躍起になっているかもしれない、浜辺でアベックが雰囲気作りのために流しているかもしれない、「今このピアノを弾いてる奴が間違える毎に10万円払え」と脅されている人がいるかもしれない。脅されてる人も「ヒイイイイイイ!その『間違える』ってどのレベルまでですか!?音のミスだけじゃないとなるとそんなの不当だ!こいつが和音丸ごと間違えたら一音につき10万ということですか!?」とか言うかもしれない。ロシアの審査員は厳しいので「あーっと、ビールマンスピンに減点が付きましたね」「森はスピンからステップへの連携がおざなりになる時がありますのでフリーではその辺りも注意せねばならないでしょう」なんて言われたり。。
大袈裟でも何でもなく、未知数の緊張感に襲われます。それが割と自分にとって悪くなく、その場の空気感で誤魔化せないことを知るという大きな気付きに繋がりました。
それだけではありません。「配信だから出来る事」もあります。映像とのコラボレーションも可能でしょうし、生では遠目にしか見られない奏者のアップについては既に見られるようになっています。デメリットを探せばいくらでも出てくるかもしれませんが、逆も然りです。
どんなマイナスでもプラスに変換してしまうエネルギーが満ちている下払×進藤組。この配信シリーズは世の中が元に戻っても続いていくのではないかと考えています。というか続けて欲しい。月一のペースで曲を書いていいなんて何と言う幸せ。
そう近くない将来かも知れませんが、また気軽に演奏会を行えるような世界になってきたら一度、武蔵ホールでの演奏会に足を運んでみて欲しいのです。その時に、武蔵藤沢駅という決して便利とは言い難い駅(ホール自体は駅の目の前なので、武蔵藤沢駅まで来たらもうそこが武蔵ホールみたいなものです。ぎょうざの満州もありますよ!三割「満州」目当てでも良いです。)に来て頂く原動力となるほどの興味を持って頂く為の重要な段階です。
でも、、もし、誰か俺に15億円寄附してくれたなら、私はあのホールをビルごと買い取ることが出来るかもしれない。
そうしたら、ホールは5階なので階下を居住スペースにし、風呂上がりに身体を拭くのもそこそこに毎晩あの響きの中でピアノを弾くのです。
風邪ひくだろうなぁ。